Vol.3 ウエディングの仕事

5月なのにもう汗ばむくらいの強い日差しの昼下がり、その日もいつものようにブーケをお預かりに出かけました。アリアンナという名前の、砂糖菓子のように淡いピンクのローズだけを19本。シンプルに茎を束ね、アイビーのつるを飾った初夏らしいタイドバンチです。

大切に家に持ち帰り、急いで記録をとりブーケを束ねていたラフィア(ひも)をほどいたその時・・はらはらと小さなピンク色の花びらがブーケからこぼれ落ちました。よく見ると、それはカーネーションの花びらで、それは花嫁さんが教会から出てきたときにあびた、フラワーシャワーなのだということに気がつきました。

小さなハート型をしたその花びらを見ながら、このブーケの持ち主が今日1日暖かな祝福を沢山浴び、幸せにつつまれたことを感じてなんだか胸が熱くなりました。

ブライダルの仕事は、幸せや感動のおすそ分けがもらえる気がして、こちらまで幸せな 気分になります。一生に一度のことですから絶対に失敗が許されない厳しさは ありますが、その分喜びや感激に沢山出会える仕事でもあります。

フラワーシャワーのカーネーションの花びらは一枚だけ押し花にして、今、私のビジネスダイヤリーに貼ってあります。この時の感動を、お客様の幸せを願う気持ちを忘れずこの先も仕事をしていこう、という私のお守りです。